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【EPD】国土交通省支援事業「CO2原単位等の策定に係る支援」について解説

公開日 2026.01.14 最終更新日 2026.01.14

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

「CO2原単位等策定支援事業」は、建築物のライフサイクル全体を通じたCO2排出量の削減を目的とした制度です。日本は2050年カーボンニュートラル実現に向け、建築分野でも製品や設備の環境性能を定量的に評価する取り組みが求められています。

「CO2原単位等策定支援事業」では、一定の要件を満たす建材・設備に関し、国が業界団体や事業者によるCO2原単位の策定を支援します。そのため、EPD取得を検討している企業にとっては、自社コストをかけずにEPD取得を実現することも可能です。

本記事は、「CO2原単位等策定支援事業」の基礎知識から「EPD(製品環境宣言)」まで解説しますので、ビジネス現場で活用可能です。ぜひご一読ください。

CO2原単位等の策定に係る支援とは

CO2原単位等の策定に係る支援とは

まずは、CO2原単位等の策定に係る支援とはなにか、概要や趣旨を解説していきます。

概要

日本は2050カーボンニュートラル実現を目指しています。そのためには、あらゆる分野での脱炭素が加速される必要があります。「CO2原単位等の策定に係る支援」は、建材・設備に係る業界団体および、民間事業者等を支援対象とした建築物のライフサイクル全体でのCO2削減を目的とした制度です。支援対象となる原単位は、「EPD(Environmental Product Declaration)」、「CFP(カーボンフットプリント)」、「PCR(Product Category Rule)」、「PCR以外のCO2原単位算定ルール」になります。

趣旨

「CO2原単位等の策定に係る支援」の趣旨は、2050年カーボンニュートラル実現に向けた建築物のライフサイクル全体でのCO2削減です。そのためには、ライフサイクルアセスメント(LCA)の実施が重要であり、CO2原単位等の整備が不可欠となります。

しかしLCAの実施には建材や設備の数量や、設備に係る原単位CO2原単位の策定には、専門的な知見や整備が必要です。そのため、「CO2原単位等の策定に係る支援」では、一定の要件を満たす建材・設備のCO2原単位の策定に対し、国が業界団体や民間事業者を支援します。

支援対象の種類

支援対象の種類

ここでは「CO2原単位等の策定に係る支援」の種類について詳しく解説します。

EPD(Environmental Product Declaration)

EPDとは、日本語で「製品環境宣言」のことで環境ラベルのひとつです。製品やサービスのライフサイクル全体における環境負荷をLCA手法によって定量的に評価します。第三者の検証を経て開示する国際的な仕組みで、ISO14025に準拠し透明性と信頼性の高いデータとして活用されています。環境ラベルには3つのタイプがあり、EPDは、タイプⅢの環境ラベルになります。

EPDに関してはこちらの記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

EPD(製品環境宣言)とは│SuMPO EPDについても解説

SuMPO EPDとは

SuMPO EPDは日本で制定された環境ラベルです。LCA手法に基づき、製品やサービスの全ライフサイクルを通じた環境への影響に対する情報を定量的に開示できます。国内で多く活用されているEPDです。

SuMPO EPDに関してはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

SuMPO EPDとは?意味やメリット、取得方法まで詳しく解説【企業事例】

「EPD Hub」とは

EPD Hubはアイルランドにある「EPD Hub社」が運営している国際的な環境ラベルです。EPD Hub は、 ISO 9001 認証を取得しており、高い品質管理基準を実現しています。

EPD Hubについてはこちらの記事で、解説しておりますのでぜひご覧ください。

「EPD Hub」とは? メリットや企業活用事例まで解説

CFP(カーボンフットプリント)

CFP(カーボンフットプリント)とは、ライフサイクル全体で排出する温室効果ガスの総量を、CO2換算で数値化し視覚化したものです。企業の製品やサービスがどれだけCO2を排出または削減努力を行っているか知ることが可能で、CO2排出量に特化した環境ラベルであり、消費者が選択するときの重要な指標となります。

日本では、経産省・環境省が令和5年に公開したガイドに準じ、業界団体の作成した算定ルールに基づき算定し、第三者の検証を受けないものとなっています。

PCR(Product Category Rule)

「PCR(Product Category Rule)」はISOP国際規格に準拠した製品カテゴリーごとの、共通のLCAの算定ルールのことを指します。「CO2原単位等の策定に係る支援」では、ISO14025に準拠し策定されるものに限るとされています。

PCR以外のCO2原単位算定ルール

「CO2原単位等の策定に係る支援」では、CO2原単位の算定に当たり、業界団体が策定する一連の規則に準じ、要求事項をまとめたものとされています。

支援金

ここでは「CO2原単位等の策定に係る支援」における支援対象経費と、支援限度額について解説していきます。

支援対象経費

  • 支援事業の期間に生じたCO2原単位等策定に係る人件費(CO2原単位等策定に係る検討を他の事業者に委託した場合は、委託費のうち人件費相当分が支援対象、委託費の内訳を示す書類が必要)
  • CO2 原単位等策定に必要なデータベース利用費
  • 第三者検証費用(ISO14025に基づく第三者検証に必要な業務について、他の事業者に委託した場合は、委託費も含む)
  • CO2 原単位等公開費用
  • CO2 原単位等の策定に係る算定ツール利用料

上記の「人件費」には外部コンサルティング費用も含まれるのがポイントです。LCA算定には専門知識を要しますので、算定ノウハウが自社に不足している場合は積極的に外部コンサルティングを活用しましょう。外部に相談する際は、本支援事業を活用する予定であることも併せて伝えましょう。

支援限度額

CO2原単位の策定支援は、1件あたり最大400万円(税込)、1事業者あたり上限1,000万円(税込)まで可能です。複数カテゴリにわたる場合は要相談になります。また、複数のCO2原単位等の策定に当たり、共通経費を重複して支援対象経費として計上することは認められません。

支援金応募のプロセス

それではここからは支援金を受けるためのプロセスを詳しく解説していきます。

1.事業者による応募

支援を活用する業界団体および民間事業者は、一般社団法人環境共生まちづくり協会へ応募し、審査・承認を受けた後に「業務請負契約」を締結する必要があります。承認通知受理後から契約締結までに発生した経費も支援対象となりますが、未承認の経費は対象外です。事業者の追加や支援対象経費の変更には、変更契約等の手続きが必要となるため、協会への連絡が求められます。

2.方法

【公募期間】

4月から12月にかけて行われます。しかし予算がなくなり次第終了する可能性があるため、注意しなくてはなりません。

【応募時の必要提出書類】

  • 原単位等を策定する製品の概要【所定様式】
  • 原単位等の策定に係る関係者・業界団体等の構成員の概要(構想段階でも可)【所定様式】
  • 原単位等の策定に係る検討及び原単位等の公開スケジュール【所定様式】
  • 支援申請額(CO2原単位等策定に係る人件費、CO2原単位等策定に必要なデータベース利用費、第三者検証費用、CO2原単位等公開費用、CO2原単位等の策定に係る算定ツール利用料)に係る見積書

【提出方法】

提出書類は、電子メールでの提出となり、原本は電子データとなります。

3.承認通知

協会にて審査が行われ、不備等がなければ承認され通知されます。

4.業務請負契約の締結

承認を行った支援金額に基づき、当協会と業務請負契約が締結されます。

5.成果報告

支援を受けた企業は事業終了後に成果報告および、支援対象経費等の実績について協会に報告する必要があります。成果報告を受けて審査を行い、支援の要件や承認通知の内容などに適合すると認めたときは、支援する支援金の額を確定し、支払いの手続きが行われます。成果報告の内容に不備等がある場合には、支援金の全部、または1部支援額が支給されない可能性があります。

支援金応募のプロセス

出典:令和7年度 CO2原単位等の策定に係る支援 募集要領

成果報告時の提出書類

成果報告に関しては、支援の要件への適合や支援対象経費の支出等について証明するための書類等を提出する必要があります。

支援要件適合証明の書類

  • 原単位等を策定した製品の概要【所定様式】
  • 原単位等の策定に係る関係者・業界団体等の構成員の概要【所定様式】
  • 策定した CO2 原単位等の公開情報(HP 等の写しで可)

留意点

支援対象となるのは、承認通知受理後から成果報告までの間である支援事業の期間に発生した費用であることに留意が必要です。

支援対象経費の支出証明の書類

支援対象経費の支出証明の書類提出には以下のものが必要となります。

  • CO2 原単位等策定に係る人件費
  • CO2 原単位等策定に必要なデータベース利用費
  • 第三者検証費用
  • CO2 原単位等公開費用
  • CO2 原単位等の策定に係る算定ツール利用料

SuMPO EPDの活用事例紹介

ここではSuMPO EPDにかかる費用(税抜)等と、おおよそのスケジュールそして具体例をご紹介します。

EPD 検証料

対価項目基本単価フロー数※
検証料240,000円/EPD99 フロー以下
検証料270,000円/EPD100~199フロー
検証料300,000円/EPD200 フロー以上

※フロー数とは、原則として、算定に必要なインプット・アウトプット項目の数 (行数) をカウントしたもの
※類似製品、データ収集を行う製造サイト数、準拠規格、Core-PCR利用等により異なる

プログラム加盟料

プログラム加盟料には、情報の登録公開・管理にかかる事務手数料等の経費や運営にかかる経費、およびマーク使用許諾料が含まれます。

企業分類プログラム加盟料業種
製造業その他卸売業小売業サービス業
小規模企業200,000 円/年20 人以下5 人以下5 人以下5 人以下
中小企業400,000 円/年21 人~300 人または資本金の額または出資の総額が 3億円以下6 人~100 人または資本金の額または出資の総額が 1億円以下6 人~50 人または資本金の額または出資の総額が 5千万円以下6 人~50 人または資本金の額または出資の総額が 5千万円以下
大企業(みなし大企業を含む)1,000,000 円/年301 人~且つ資本金の額または出資の総額が 3 億円以下101 人~且つ資本金の額または出資の総額が 1 億円以上51 人~且つ資本金の額または出資の総額が 5 千万円以上51 人~且つ資本金の額または出資の総額が 5 千万円以上
団体(工業会等)400,000 円/年

MiLCA for EPD 貸与料

検証料は、算定ツールMiLCA(MiLCA for EPD、MiLCA、クラウドサービスMiLCA)を使用して作成した検証申請に適用されます。

対価項目基本単価内容
MiLCA for EPD 貸与料100,000 円/12 ヶ月データベース利用料

参照:SuMPO EPD Japan「料金規程」

【費用具体例(税込)】

以上を参考に考えると、例えば小規模企業が2製品で申請した場合の費用は、以下のようになります。

1. 検証料:99フロー以下、26.4万円/製品
2. プログラム加盟料 :110万円(4月加入)
3. MiLCA for EPD 貸与料:11万円
4. LCA算定コンサル費用:500万円

合計:673.8万円

この場合、全額が支援事業によってカバーされるため、事業者の実質負担は0円となります。

スケジュール

SuMPO EPDの交付申請・業務請負契約に約1か月、データ収集に約2か月、LCA算定・検証申請書作成に約2か月かかります。さらにSuMPOEPD検証対応から、EPD公開に約1か月かかり成果報告としてまとめられるため、事業者が交付申請し、成果報告があがるまでには、およそ5〜6か月かかります。

まとめ

2050カーボンニュートラル達成のため、建築物のライフサイクル全体でのCO2削減を目的とした制度「CO2原単位等策定支援事業」についてわかりやすく解説しました。持続可能な経営や自社の環境価値の向上のためには、LCA手法の実施やEPDの取得が欠かせません。しかしそれらには、専門的な知見が必要です。

株式会社ゼロックでは専門的な知見を活かし、国際規格に準拠した環境負荷の算定から、EPD支援サービスまで行っています。

SuMPO EPD・CFP取得に向けて相談してみたいという企業担当者の方は、お気軽にお問い合わせください。

参照:令和7年度 CO2原単位等の策定に係る支援募集要領 第3版

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