スコープ3算定支援

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企業はサプライチェーンにわたるGHG排出量削減が求められる

国のGHG排出量は、産業部門が支配的

温室効果ガスの削減は地球規模の課題であり、全世界的に議論が進められています。

そして、地球環境としての世界的な目標(例えば1.5℃目標)が定められると、それらを軸に国ごとに責任が割り振られます。

では、国のGHG排出量としては、どこを減らすことが最もインパクトがあるのでしょうか。

分解の仕方により回答は様々ですが、たとえば日本における部門ごとのGHG排出量を見てみると、産業部門のGHG排出量が支配的です。

2018年 日本のCO2排出量(電気・熱配分後):経済産業省, 2018年度温室効果ガス排出量分析(CO2全体)より

すなわち、日本を含む各国は、いかにして企業によるGHG排出量を削減するかが重要となります。

企業の責任範囲

ではここで、「企業によるGHG排出量」とは何でしょうか。上記の図の定義ももちろんありますが、世界のGHG排出量を削減することを考えたときには、そう単純ではありません。

近年の流れでは、企業は「サプライチェーン全体のGHG排出量」に責任を持つべきだ。という論調が一般的です。

そして、サプライチェーン全体を通したGHG排出量を考える枠組みが、スコープ1、スコープ2、そしてスコープ3になります。

スコープ1~3の算定

算定による状況の見える化

ダイエットの第一歩が現在の体重を知ることのように、GHGを削減するためには、なによりもまず現状のGHG排出量を認識する必要があります。

特に、CO2は目に見えないため、感覚観として桁ですら把握していない方が多いのではないでしょうか。

そのため、GHG排出量を50%、さらにはゼロへの削減が求められたとき、どの程度大変であり、どのような方法をとれば達成可能性があるかを判断することも難しいでしょう。

そこで、まずはスコープ1~3の算定が非常に重要になります。

GHGプロトコルと算定基準

企業のGHG排出量の算定にあたり、各企業が自分たちのやり方で計算をすると、それぞれの企業を比較することができません。

そこで、企業のGHG排出量の算定のために、一定の基準が出来上がりつつあります。

特に有名なものが、国際基準である「GHGプロトコル」です。日本の環境省も、それに準じた形でサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量の算定ページを公開しています。

ポイントは、数年前の日本の算定基準とは異なる部分もあることです。

先ほど企業ごとに算定方法をそろえる必要性について書きましたが、地球温暖化は全世界的な問題であり、世界全体としてそろえる必要性もあります。

そのため、サプライチェーン排出量の算定は、国際的な動向が非常に重要となるのです。

なぜスコープ「3」だけが注目されるのか

サプライチェーン排出量の中でも、近年注目されているのが「スコープ3」です。

その理由は、大きく2つあります。

  • GHG排出の割合が大きいこと
  • 算定が難しいこと

多くの企業では、自社が直接排出するCO2は実はそこまで大きくありません。工場があり、煙突から多くの煙が出ている企業でなければ、イメージがつかないことがほとんどです。

しかし、調達段階で歩留りやエネルギー効率の悪い素材を利用していたり、焼却段階で多くのCO2を出してしまったりすると、サプライチェーンで見ると多くのGHG排出に関わっています。

そのため、スコープ3を算定することで、はじめて自社の行動とGHG排出量の削減がつながるケースが多くなります。

また、もう一つの理由が、スコープ3の算定が非常に難しいことです。スコープ1~2については、自社が持っているデータ等を利用することでほとんど足りるため、誰が算定しても結果が変わらないことがほとんどです。

一方、スコープ3の算定の結果は、評価者によって簡単に数倍変わります。

その理由は、LCAの算定と同様に、「エキスパートジャッジ」が必要な個所が多いためです。

現状においては、企業のGHG排出量は「算定の事実」だけで満足されるケースも多いですが、これからは「数値」が求められる世の中に入ってきますので、この専門性は非常に重要になります。

ゼロックのスコープ3算定の特徴

LCAの専門性を背景としたエキスパート算定

スコープ1~3を算定する際は、LCAの枠組みが基本となります。

私たちは、LCAエキスパートとして、妥当かつ素早い算定が可能です。また、今までの算定の知見や論文調査などを通じて、「一般的」なサプライチェーン排出量の結果を知っていることも大きな特徴です。

さらに、ネットワークをいかして、常に海外の動向や最新の研究動向等に目を向けているため、GHG排出量の算定基準について今後の展開を踏まえた評価手法をとることができます。

また、例えば金額データと物量データを用いたハイブリッド算定など、目的に応じた粒度と正確性での算定を行うことができます。

会計ソフトデータ×自社原単位算定

スコープ3の算定は、ほとんどの企業にあたり大きな手間が発生します。また、算定にかかる時間も非常に大きいものとなります。

エネルギーや調達のデータ収集から、プロセス作成、原単位の選定等、既存の取引形態をGHG排出量の算定のためのデータ形式に変換することはとても困難です。

また、その結果、サプライチェーン排出量の算定だけで時間も費用もたくさんかかり、中小企業が対応することや、繰り返し算定することはとても困難でしょう。

そこで、私たちは、会計ソフトに準拠した形でスコープ3算定用のデータベースをそろえ、ほとんど手間のかからず、かつ再現性のある評価も行っています。

これにより、企業は会計ソフトの決算データを提出するだけでスコープ1~3の算定が可能です。

現時点で対応している会計ソフトは以下の2つになります。それ以外の会計ソフト、もしくは自社独自の仕分け項目については是非ご相談ください。

  • Money Fowardクラウド会計
  • freee会計

スコープ3算定のステップ

目的の確認

スコープ3算定のためには、まずなにより目的を明確化する必要があります。社内利用目的なのか、外部公表のためなのかなど、その目的によって必要となるデータの品質や精度が変わってくるためです。

現時点で明確な目的がはっきりしていないケースも多いため、ご依頼されたタイミングで目的の明確化からお手伝いすることも可能です。

サプライチェーンチェック、データチェック

スコープ3算定のために、現時点でどのようなサプライチェーン構造なのかを確認します。

構造によっては、特に重要となりそうな部分にめどをつけることで、データ収集の手間をなるべく少なくすることができます。

続いて、企業活動のデータを確認します。会計ソフトから算定するケース、物量データから算定するケースなど、希望の算定が可能かどうかをデータの品質から判断します。

評価、提出

各種基準にのっとり、スコープ1~3までの算定を行います。

LCAと同様に、結果の解釈をすることで、目的に合わせた算定品質を確保します。特に数値が重要となるケースにおいては、他事例などと比較しながら、算定の品質には十分気をつけます。

最終的に報告書を提出します。

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