エキスパートLCA

目次

LCAにより環境影響が評価できる

LCAをすることで、製品やサービスなど、評価したい領域における環境負荷を見える化することができます。

たとえば、冷蔵庫という商品のライフサイクルを通じた温室効果ガスの排出量は、使用段階の割合が高いことがほとんどです。そのため、製造段階のCO2排出量が多い冷蔵庫だとしても、使用段階の効率が良ければ全体での負荷は低くなるかもしれません。

また、LCAを用いることで、「どの程度低いのか」も評価することができます。環境影響を定量評価できることがLCAの大きな特徴です。

LCAをエキスパートがやる必要性

LCAは主観を含む定量手法である

LCAについて、「計りに乗せるだけ」で数値が出せると考えられている場合がありますが、実際には異なります。

そもそも、物理的な環境影響を直接的に計測することはほぼ不可能です。そこで、LCAでは、限られた情報の中から実施の環境影響に近い数字を評価しにいくことが求められます。その中では、ルールに則ってれば自動的に結果が計算されるわけではない場面が多々発生します。

結局、LCAは、評価者の主観による「エキスパートジャッジ」が求められることがほとんどです。

一つ、簡単で分かりやすい例を見たいと思います。自社で利用している電気が中国の風力発電であり、その調達による環境負荷は二次データを用いて算出するとします。そのとき、LCAでは、存在する二次データのなかからどのデータを利用するか選択が求められます。

一つだけきれいにマップされる場合は特段気にする必要はないかもしれません。しかし、たとえば、二次データとして近いと思われるものが複数存在するときは、その中からどれが妥当か判断する必要があります。

その際には、例えば以下のような検証をし判断をします。

  • 規格などで指定されているか
  • 他の論文などでのLCAではどうなっているか
  • それぞれの二次データを選択した際に結果にどの程度幅が出るか
  • 二次データ自体がどのようにして作成されているか

LCAには、答えがない部分も多い

LCAは、研究段階の部分や、複数の考え方が存在する部分が存在します。

  • 将来のデータベースを用いた算定
  • 開発段階の製品に関するLCA
  • 帰結的なLCA
  • 削減貢献量の算定

例えば、2030年に開発完了予定の製品があり、電力を大量につかうものだとします。

この製品の環境負荷の算定には電力による環境負荷が大きく聞いていきますが、電力の環境負荷は2030年時点のものを想定する必要があるのでしょうか。想定するとして、それはどのように用意すればよいのでしょうか。

このように、なかなかエキスパートにおいても判断が難しく、議論段階の内容も存在します。

ただし、LCAによる妥当な計算結果を出す際には、少なくともこのような論点があることを認識することは価値になります。

LCA結果は算定者により数倍変わる

重要なことは、このような「エキスパートジャッジ」による結果の差は、とても大きいことです。

実際、先ほどのような二次データの話だけでも、以下の条件で比較したときに結果が2~3倍変わることはよくあります。

  • 日本の二次データ vs 海外の二次データ
  • 古いバージョンの二次データ vs 新しいバージョンの二次データ

さらには、近年求められている開発段階の製品のLCAなどについては、より大きな結果の差がでてきます。

現在、日本のGHG削減目標のマイルストーンは「46%」削減ですので、2~3倍のオーダーで結果がかわることは、企業にとっても死活問題になってきます。何かしらの計算結果を返すことも重要ですが、その結果が覆されてしまうことには注意しなければなりません。

私たちは、ライフサイクル解釈にこだわることで、LCA目的に合致するよう妥当な評価を心がけています。

エキスパートLCAの流れ

1.目的の確認、お見積り

LCAを実施する際には、LCAの目的を決定する必要があります。もちろん、LCAの目的自体も評価をしながら変わることが見込まれますが、最初の方向性は決める必要があります。

そして、LCAの工数は、ライフサイクルフロー図、そして一次データの品質がわかって初めて明確化します。

その意味で、目的・ライフサイクルフロー図・一次データの3点がそろっている場合に、最も信頼のおける仕様内容とお見積りを提出できます。

一方、ほとんどのケースでは、LCAの算定前にライフサイクルフロー図や一次データはお持ちでありません。その場合にも、弊社の経験から、お客様の目的に応じてお見積りを提出させていただき、LCA算定の業務内でライフサイクルフロー図の作成やデータ収集をお手伝いしています。

また、もしもLCAの目的がないお客様にも、アドバイザリーを結んでいただくことで、LCAを企業内でどのように活用するかや、どの製品を算定するべきかなど、目的を決める部分から一緒に伴走できます。

2.LCA算定

実際のLCA算定は、以下のような流れで進んでいきます。ミーティング回数としては5回、時間としては3~6か月を目安とご認識ください。

なお、ここではコンサルティングメニューとして弊社とお客様にとっての進み方を示しています。弊社のLCA算定については、ISO14040の流れに準拠し進めていきます。

担当項目内容
両者契約締結LCA算定の仕様に基づき、秘密保持契約を含めた契約を締結します。
弊社事前調査論文や過去の事例から、どのようなライフサイクルフロー図や機能単位になるのかのあたりを付け、重要となる要素を事前に確認します。
お客様データ準備製造プロセスデータなど現時点で手元にある資料をご準備いただきます。
両者第一回打ち合わせライフサイクルフロー図や結果イメージをすり合わせます。弊社からのご提案、お客様のご要望の両方から決めていきます。
弊社データ収集シート作成ライフサイクルフロー図が固まったタイミングで、穴埋め式のデータ収集シートを弊社が作成します。
お客様データ収集データ収集シートを参考に、必要なデータを収集します。製造段階のエネルギーなどが一例です。
たとえば一部工場のデータが無い場合などでも問題ありません。
弊社データチェックいただいたデータ収集シートの内容をチェックし、データの品質を確認します。算定の目的に耐えられる粒度になっているかや、データそのものの整合性・妥当性などを検証します。
一回のやり取りでデータ収集が問題なく進むことはほとんどないため、疑問点や問題点を弊社でまとめます。
両者第二回打ち合わせデータチェックの内容について、詳細をお伺いします。データ収集の現実性などもすり合わせます。
お客様追加データ収集打合せを踏まえて、新たに必要なデータ、修正すべきデータを収集します。
弊社インベントリ分析いただいたデータから、インベントリ分析、影響評価を実施します。
弊社報告書作成スクリーニング結果について報告書を作成し、評価の問題点や改善方法をまとめます。
両者第三回打ち合わせスクリーニング結果を確認しながら、どのような目的にするかや、より詳細に評価したい部分の方向感を議論します。
弊社分析・解釈新たな目的・データを用いながら、分析を進めます。分析結果を解釈し、再度目的と評価に戻るサイクルを繰り返します。
お客様目的設定
データ収集
打合せ内容や新たな算定をもとに、目的を決定しなおしたり、必要に応じでデータ収集をおこなったりします。
弊社表現案作成十分に算定の精度が高まったタイミングで、その数値の表現方法を考えます。結果によって、どのようなグラフで示すのか、割合と総量どちらを利用するのか、評価対象を変更するのかを検討します。
両者第四回打ち合わせLCAの結果をご提出し、その数値をもとにどのような表現にするかを検討します。
弊社報告書作成仕様に基づいたレベルの報告書を作成します。簡単な報告書からISO準拠の報告書まで作成が可能です。報告書でご提出する最終結果については、決定した表現方法に基づいたものにすることができます。