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ニュース解説

13年ぶりに環境表示ガイドライン改定、パブリックコメントを募集

公開日 2026.03.10 最終更新日 2026.03.10

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

要約

  • 環境省が「環境表示ガイドライン」改定案で意見募集を開始
  • 自己宣言による環境主張をISO/JIS Q 14021に沿って整理
  • あいまい表現や比較表現を厳格化

企業の環境主張、根拠提示を強化

環境省は、企業が自社の製品・サービスや事業活動について行う「環境に配慮している」といった表示を、誤解なく伝えるための「環境表示ガイドライン」の改定案を公表し、パブリックコメント(意見募集)を実施しています。

今回の改定案では、第三者認証がない自己宣言による環境表示について、国際規格であるISO/JIS Q 14021の考え方に沿った表示を推奨しています。あわせて、自己宣言による環境主張を行う事業者向けに、「5つの基本項目」を明示し、実務に落とし込みやすい形に整理しています。

環境表示とは、環境に配慮した点や環境負荷の低減効果などの特徴を説明するものであり、説明文に加えて、シンボルマークや図表などを用いて行われます。

また、対象は広告・Web上の訴求に限られず、企業姿勢やイメージ広告、銘柄名・ブランド名のような「企業イメージを左右する表示」も含まれます。

この改定案は、環境表示を「言い切り」で終わらせず、根拠と説明をセットで示すことを重視しています。主張の範囲、比較条件、使用データや評価方法を示し、求めに応じて確認できる状態にしておくことが求められます。

なお、パブコメの募集期間は2026年2月16日から3月18日までです。

グリーンウォッシュ対策の強化

環境表示は、グリーン購入を後押しし、市場の公正な競争を支える重要な手段です。一方で、根拠が弱いまま「環境にやさしい」などと訴求すると、受け手の誤認を招き、企業への不信につながります。

近年は、欧州をはじめ各国でグリーンウォッシュへの監視が強まり、国を挙げて環境主張のルールやガイドラインを整備・強化する動きが広がっています。

本改定案は、こうした国内外の流れを踏まえて見直しを行ったものです。海外で事業を展開する企業のマーケティング実務はもちろん、国内市場を主とする中小企業も、サプライチェーン上の取引先から根拠提示を求められる場面が増えることを念頭に、各国・各地域の環境表示に関するガイドラインや自主基準などを参考情報として紹介しています。

5つの基本項目

本ガイドラインでは、企業が実務に落とし込みやすいように、5つの基本項目を定めています。これは、自己宣言による環境主張をISO/JIS Q 14021の考え方に沿って、社内で点検できる形に整理したものです。

特に、ライフサイクル全体の考慮を基本項目に位置づけた点と、検証に必要なデータ・評価方法の提示と情報アクセスを一体で求めた点がポイントです。

①あいまいな表現や環境主張は行わないこと

②環境主張の内容に説明文を付けること

③製品のライフサイクル全体を考慮すること

④環境主張の検証に必要なデータ及び評価方法が提供可能で、情報にアクセスが可能であること

⑤製品又は工程における比較主張は LCA 評価、数値等により適切になされていること

本改定案では、各項目について「どのような表現が誤解を招くか」「説明文に何を書けばよいか」「比較主張で条件をそろえるとはどういうことか」といった観点を、例示やチェックリストの形で具体化しています。

これにより、広告・Web・提案書の環境訴求を、社内で同じ基準で点検し、根拠と説明をそろえて発信しやすくなります。

コンサルタントによる解説

グリーンウォッシュへの監視は国内外で強まり、環境主張のルール整備や運用の厳格化が進んでいます。欧州を中心に規制強化の流れが続くなか、日本でも広告表現のチェックや取引先からの根拠確認が厳しくなる可能性があります。

環境表示は企業の信頼に直結しやすく、指摘を受けた場合の修正コストに加え、企業の信用への影響も無視できません。だからこそ、環境表示は「良さそうに見える言葉」を先に置くのではなく、根拠と説明をセットで整えてから発信することが大切です。

早めに自社の環境訴求を洗い出して表現を整え、根拠資料(算定条件、データ出典、比較条件、計算記録)の整備を進めることをおすすめします。

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参考文献

グリーンウォッシュ連絡窓口
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