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ニュース解説

SSBJ開示基準、適用スケジュールと第三者保証制度の骨格を議論

公開日 2025.12.03 最終更新日 2025.12.03

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程

要約

  • 2025年10月30日、金融庁が金融審議会「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」(第9回)を開催した。
  • 時価総額5,000億円以上1兆円未満のプライム市場上場企業のSSBJ基準の適用開始時期は、2029年3月期からとすることが提案。
  • サステナビリティ情報の第三者保証について、国際基準と整合した枠組みで行うことが前提とされ、保証付きでも有報提出期限(事業年度終了後3か月以内)は原則延長しない方向が示された。

SSBJ基準の適用義務と保証義務のスケジュール確認を

2025年10月30日に開催された「第9回 金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」では、SSBJ基準の適用スケジュールと第三者保証制度の骨格が事務局から示されました。本資料によると、東証プライム市場の上場企業について、時価総額が5,000億円以上1兆円未満は2029年3月期からSSBJ基準に基づく有価証券報告書の作成が義務付けられることが提案され、この案には賛同が得られました。なお、時価総額が3兆円以上の企業は2027年3月期から、1兆円以上3兆円未満は2028年3月期からとなる予定です。

時価総額は、前期末及びその前4事業年度末における時価総額の5年平均時価総額が基準となります。

サステナビリティ情報への第三者保証は、開示基準の適用開始の翌期から義務化される方向で整理されており、当初2年間はScope1・Scope2排出量とガバナンス、リスク管理に限定した「限定的保証」とする方針が示されています。有価証券報告書の提出期限(事業年度終了後3か月以内)は延長しない案が提示され、代わりに適用開始年度とその翌年度については二段階開示を認める経過措置により、企業の移行負担を和らげる設計になっています。

金融庁「第9回 金融審議会 サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ 事務局資料」より

国際基準の動向と

今回の議論の前提には、ISSBが公表したIFRS S1・S2と、それを国内実装したSSBJ基準の存在があります。欧州ではCSRDとESRSに基づく包括的なサステナビリティ開示と限定的保証がすでに走り始めており、豪州や英国でもISSB基準を基盤とした開示・保証制度の準備が進んでいます。日本としても、資本市場の国際的な信頼を確保するため、財務情報と同等レベルの信頼性を備えたサステナビリティ情報を提供する必要があります。

加えて、IAASBが公表した国際サステナビリティ保証基準「ISSA 5000」や、IESBAによる倫理・独立性基準「IESSA」が整備されたことで、サステナビリティ保証に関する国際ルールの枠組みが整いつつあります。金融庁資料では、日本の第三者保証制度もこれら国際基準と整合した形で設計する方針が示されており、監査法人に限らず、一定の要件を満たす専門家を登録制で担い手とする方向性が示されています。

適用義務化に向けて、早めのScope1,2,3算定を

今回のワーキンググループでは、プライム上場の中でも時価総額の大きい企業から段階的にサステナビリティ情報開示と第三者保証を義務化していくロードマップが、より具体的に提案されました。対象は時価総額の5年平均で判定される案となっており、一度レンジに入ると短期的に外れることは難しくなります。また、有価証券報告書の提出期限は第三者保証付きでも原則3か月のままとされる方向であり、決算と同じタイトなスケジュールのなかで非財務情報も集計・レビュー・保証対応まで終える体制づくりが求められます。

こうした状況を踏まえると、「義務化された年に初めてScope1,2,3を計算する」のでは間に合わず、今から段階的に算定とデータ管理の仕組みを回し始めることが重要です。また、第三者保証についても議論が進められていることから、今後開示情報の質についても求められていくことが想定されます。

参考文献

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