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CBAM最新動向:進む制度実装と必要な準備

公開日 2026.03.19 最終更新日 2026.03.19

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

要約

  • 本格実施期間移行から2カ月、CBAMは制度論から実装フェーズへ移行
  • 証書価格の公開日程の公表、証書の販売・買戻しシステムの入札開始
  • 実測値申告を見据え、モニタリングプランと第三者検証の段取りを早めに準備する必要

1月からのアップデート内容

2025年末で移行期間が終わり、CBAMは2026年1月から本格実施期間に入りました。

欧州委員会によると、1月1日から6日に輸入されたCBAM対象製品の総重量は約165.6万トンで、その98%を鉄鋼が占めました。(詳しくはこちら:前回記事『EU、CBAM本格運用初週の実績公表』

前回以降の実務アップデートとして、2月13日には、2025年12月の実施規則で定められたデフォルト値とベンチマークを一覧で確認しやすいExcel版が追加公開されました。

3月2日には、CBAM証書の販売・買戻しを担うCCP(Common Central Platform)の入札公募が始まり、8月末までに事前運用を行い、2027年2月1日の本格稼働を開始するという見込みも示されました。

さらに3月6日には、最初の証書価格を4月7日に公表し、以降は7月6日、10月5日、翌1月4日に公表する方針が発表されました。これらの証書価格は、あくまで参考価格ではありますが、来年以降の支払い額の試算が行いやすくなります。

※CCP:証書の購入・買戻し申請を行うプラットフォーム。

対応準備を進める必要がある一方、未決事項も多い

CBAMの本格運用が開始してから時間が経ち、実際にどう運用されるかが少しずつ見えてきました。

2027年以降に実測値の使用を検討している企業は、これらの情報を参考にしつつ、モニタリングプランの準備やサプライヤーからのデータ収集を早めに行い、第三者検証に備えておく必要があります。

※モニタリングプラン:実測値で申告する際に、各施設(installation)でどのデータを、どんな方法で集め、どう管理するかを整理する計画書です。実施規則では、最低限記載する必要のある項目が示され、英語での提出が求められています。

一方で、2026年2月末時点でも未決の事項があり、CBAM対応の準備を進めるにあたって、いぜん情報が不足しているのが現状です。

項目内容
拡大される対象品目候補となる品目リストは公表されているが、法案が可決されていない。
迂回禁止行為迂回禁止行為に関する法案が可決されておらず、ルールが未だ明確ではない。
第三国での炭素価格支払い2月28日時点で法案が未公表。(3月末までに公表予定)
CBAMレジストリ現在改修中。公開入札が実施されている。
CBAMレジストリを用いた具体的な申告方法等2026年第三四半期に実施規則が公表予定。

コンサルタントによる解説

すでに本格実施期間に移行してはいるものの、2026年3月時点でも情報や体制の更新は続いており、最新の情報をキャッチアップしていくことが重要です。

前述のように、実測値の使用を視野に入れている企業は、上流メーカーに任せきりにせず、どの施設データを、どの方法で収集するのかを早めに確認・決定する必要があります。

改めてになりますが、モニタリングプランの作成、検証機関との情報交換、上流メーカーへの情報提供の問い合わせを始めることが推奨されます。

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