トップ ZEROC PLUS ニュース解説 CBAM実施規則公表 – 2026年本格運用へ
ニュース解説

CBAM実施規則公表 – 2026年本格運用へ

公開日 2025.12.26 最終更新日 2026.01.15

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

CBAM実施規則の要約

  • ECがCBAMの実務ルール一式を公開、算定・検証・価格を確定
  • 埋め込み排出は直接+間接で算定、Annex IV準拠の手順
  • デフォルト値の利用割合ルールが削除
  • デフォルト値は段階的上乗せ、炭素税を抑えるには一次データ化が鍵

European Commissionは、CBAMの本格運用(2026年開始)に必要な「実務ルール一式」をまとめて公開しました。内容は実施規則(Implementing Acts)・委任規則(Delegated Acts)・付属書など計20本超で、計算方法、デフォルト値、検証原則、認可・レジストリ、証書価格、税関コミュニケーションまで、実運用に必要な細目が揃っています。

また、改正案も一部公開されており、今後のCBAMルール、企業対応の運用方針が決定できるタイミングとなりました。

企業のCBAM対応の経緯

CBAMは、鉄鋼材料やアルミニウム材料を製造する日本企業にとって、とても重要な制度です。今まで任意で行われていたCO2排出量の算定が義務となり、その数値を算定・開示しなければ、欧州への輸出ができなくなるからです。

2023年10月~2025年12月は、移行期として四半期報告のみを求めておりましたが、2026年から証書の購入・償却を伴う本格適用に移行します。

今回公表された実施規則は、その詳細を定めるルールであり、企業は本内容に沿ったCBAM対応が求められます。初回の年次宣言は2027年に提出(5月末→8月末へ延長)となっているため、企業は1年を目安に情報を読み解き、自社の方針を決める必要があります。

解説:CBAMは「対応が簡単な制度に」「炭素税をどう抑えるか」

今回の実施規則を一言で説明するなら、「かなり楽になった」と言えるでしょう。

もちろん、実施規則を読み解くことや、前提となる言葉の定義を理解することは、初心者の方には難しいかと思いますが、事業者レベルでまず重要なことは、欧州に商品を輸出できない可能性はほぼなくなったことです。

いままでの移行期間の算定・報告ルールは、特にデフォルト値の利用割合の上限(20%)が定められていましたが、この内容はデータベースを用いることが基本の現状のカーボンフットプリント算定の実務からしてほぼ不可能なものでした。

そのため、日本企業は、法律違反を承知で簡素に対応するか、達成できるかわからないが大きな手間をかける必要がありました。

一方、今回の内容により、何かしら報告をすることは容易であり、あとはお金の問題となっております。その意味では、炭素税や手間などを鑑み、もっとも効率的な報告をする方針を決めることが企業にとって重要となります。

また、最終版の資料では、LCAの用語(機能単位、配分等)が多く出てきていることからもわかるとおり、現在の欧州の環境負荷算定ルールにかなり準じることとなりました。

これは、LCA、特に欧州の算定ルールに日頃からなじみのある方にとっては、算定の負荷が低くなることを意味しています。

現在ゼロックでは、今回の実施規則をもとに、企業が戦略によってどの程度炭素税や算定コストがかかるのかをシミュレーションしています。また、欧州の算定規格対応も引き続き対応してまいります。

2026年中に、自社の状況把握と方向性を定めたい方、また2年後以降の算定報告実務でお困りの方はぜひ一度お問い合わせください。

また、CBAMは今後もルールが変わることが想定されますので、様々な方の情報交換もお待ちしております。

関連記事

参考文献

  • European Commission, CBAM Legislation and Guidance (17 Dec 2025). Available at: https://taxation-customs.ec.europa.eu/carbon-border-adjustment-mechanism/cbam-legislation-and-guidance_en (Accessed 26 Dec 2025)
  • Trade and Industry Department (HKSAR), Operational Rules for the Carbon Border Adjustment Mechanism (Circular No.1100/2025, 24 Dec 2025). OJ links to Implementing Regulations (EU) 2025/2546, 2547, 2548, 2549, 2620. Available at: https://www.tid.gov.hk/… (Accessed 26 Dec 2025)
  • EUR-Lex, Commission Implementing Regulation (EU) 2025/2550 (10 Dec 2025) amending Implementing Regulation (EU) 2024/3210 regarding the CBAM registry. OJ L_202502550. Available at: https://eur-lex.europa.eu/… (Accessed 26 Dec 2025)
  • EUR-Lex, Regulation (EU) 2023/956 establishing a CBAM (Consolidated, 20 Oct 2025). Available at: https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/956/oj/eng (Accessed 26 Dec 2025)
グリーンウォッシュ連絡窓口
「上辺だけ」の環境主張を見つけた方は、ぜひご報告ください。
私たちは、LCAの専門家として世の中に正しい脱炭素行動が広まるように貢献します。
資料ダウンロード
脱炭素経営のお役立ち資料をご用意しています。
弊社のサービス資料もこちらから確認いただけます。
お問い合わせ
弊社サービスに関するご相談やお見積りなど、
お気軽にお問い合わせください。