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ニュース解説

EU、CBAM本格運用初週の実績公表

公開日 2026.01.27 最終更新日 2026.01.27

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

要約

  • 2026年1月1日、CBAM本格実施期間へ移行
  • CBAM対象製品の総輸入量は約165.6万トン、うち98%が鉄鋼製品
  • 輸入者はCBAM申告の認可確認、輸出者は製品データ整備を

本格実施初週の実績

2026年1月1日、CBAM(炭素国境調整メカニズム)が発効し、1月14日にはEUが初週の実績を公開しました。

本格実施期間では、「認可済みCBAM申告者」のみがCBAM対象製品を輸入することができます。認可を受けていない場合、基本的に2026年4月1日以降は輸入ができなくなるため、初週には多くの事業者が認可申請を行いました。1月7日までの1週間で、認可申請が1.2万件超、認可取得が4,100件超に達したと公表されています。

また、1月1日から6日に輸入されたCBAM対象製品の総重量は約165.6万トンで、その98%を鉄鋼が占める結果となりました。最も多くのCBAM申告を行った国はベルギーであり、サプライヤーとして最も多くの製品を輸出したのはトルコでした。

輸入量輸出量
1位ベルギートルコ
2位スペイン中国
3位ルーマニアインド
4位オランダカナダ
5位フランス台湾
6位ドイツベトナム
2026年1月1日~1月7日における輸入量および輸出量の各上位国

報告フェーズ終了、26年1月より本格実施が開始

EUは域内のEU ETSで炭素価格を課す一方、域外品との競争条件の不均衡と生産移転(カーボンリーケージ)を長年の課題としてきました。CBAMは、輸入品の体化排出量に相当する炭素コストを課すことで、域内外の水準を均衡させる仕組みです。2023年10月から2025年末までは四半期報告のみの移行期でしたが、2026年1月からは認可制・検証・証書償却を伴う決済型制度に切り替わっています。

2025年末には本格適用に向けた実施規則・委任規則パッケージが相次いで公表され、埋込排出量の算定・検証、自由配分の調整、既払炭素価格の控除、レジストリ運用、カスタム連携などの運用要件が整備されました。さらにオムニバス簡素化により、対象者の事務負担を減らしつつ環境的整合性を確保する枠組みへとアップデートされています。

認可確認と排出量データ整備が急務

CBAM対象製品を輸入するEU域内の事業者は、まず輸入者としての認可を受けているかを確認する必要があります。無認可の場合2026年4月1日からは輸入が差し止められるため、早急な申請が必要です。ただし、2026年3月31日までに申請していれば、裁定待ちの間も輸入を継続できる措置が講じられています。まだ認可を受けていない事業者は、スケジュールを逆算し早めに動き始めるのが賢明です。

一方輸出者側は、輸入者から一次データの提出を求められた場合に備えて、早いうちにデータ整備を開始することが望まれます。排出量の検証・報告や証書対応を想定し、根拠付きで製品データを収集しておくことで、のちの輸入者とのやり取りが円滑になります。

また、上記の前提事項として、CBAMの実施規則等について理解していることが必要です。どの時点で何をする必要があるかといったタイムラインを把握していない場合、対応が後手に回る可能性が高く、企業としてのリスクにつながります。認可の確認やデータ整備と並行して、規則の概要や実務的に注意が必要な点などの制度面も今のうちに整理・理解し、証書対応が始まる2027年に備えておくことを推奨します。

(弊社では、CBAM関連法規の要点整理や、製品データ収集などの実務アドバイザリーも行っております。無料相談はこちらからお申込みいただけます。)

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参考文献

  • European Commission news article https://taxation-customs.ec.europa.eu/news/cbam-successfully-entered-force-1-january-2026-2026-01-14_en
  • European Commission, Directorate-General for Taxation and Customs Union. (2026, January 14). CBAM successfully entered into force on 1 January 2026. European Commission
  • European Parliament and the Council of the European Union. (2025, October 17). Regulation (EU) 2025/2083 amending Regulation (EU) 2023/956 (OJ L 2025/2083). EUR-Lex
  • European Commission. (n.d.). Carbon Border Adjustment Mechanism. European Commission
  • European Parliament and the Council of the European Union. (2023, May 10). Regulation (EU) 2023/956 establishing a carbon border adjustment mechanism. EUR-Lex

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