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ニュース解説

EU、循環経済でプラ再生を本格強化

公開日 2026.01.13 最終更新日 2026.01.15

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

要約

  • 2026年に循環経済法を提案し、EU全域のプラ再生単一市場を狙う。
  • 廃棄物終了基準(EoW)をEU統一で示し、意見募集を開始する。
  • 再生材とバージン材を税関で区別し、公正競争と投資を後押しする。

上記3点は、再生材が「廃棄物」扱いで動きにくい現状を変え、EU域内で安心して売買できる状態を整える狙いです。制度と通関の両面からルールを揃えることで、再生材の需要拡大と投資回復を同時に進めようとしています。

EUがプラ再生を立て直す

欧州委員会は、循環経済への移行を加速するパイロット措置を公表し、プラスチック再生を重点分野に据えました。

再生材がEU域内を自由に流通できるよう、廃棄物から再生材へ移る条件(end-of-waste)のEU共通基準を定める実施規則案を示し、2026年1月26日まで意見募集を行います。さらに、PET飲料ボトルの再生材含有率の扱いを明確化する実施規則を加盟国投票に付し、再生材とバージン材を税関コードで区別する方針も打ち出しました。

あわせて、シングルユース・プラスチック規制の効果検証に向けた公開協議を2026年3月17日まで実施し、投資支援(EIB等)や協働枠組みの強化も進めます。JRCは循環化により、同セクターの気候関連排出を最大45%削減し、2050年に年180億ユーロの貿易収支改善が可能だと示しています。

EUプラ再生本格化の全体像(Google Geminiにてゼロック作成)

EUにおける再生材を「当たり前」にする

EUのプラスチック再生産業は、市場の分断やエネルギー高、バージン材価格の変動、域外からの輸入圧力で採算が悪化しています。資源を域内で循環させられないことは、原料調達リスクと競争力にも響きます。

シングルユース・プラスチック規制では、PET飲料ボトルに2025年から再生材25%(2030年に全ボトル30%)などの要件があり、需要側の規律も強まっています。

一方で循環利用率は2024年で12.2%にとどまり、2015年の11.2%から伸びは緩やかです。EUは2030年に循環経済の世界的リーダーを掲げており、欧州委員会は短期措置と2026年のCircular Economy Actを二段階で進める方針です。

証憑つきデータを先に整えるのが吉

今回の動きは、再生材が「廃棄物」から「製品」へ切り替わる境界と、再生材含有率の算定方法をEUで揃える流れです。税関コードの分離は輸入品にも影響し、再生材の申告根拠が通関や顧客監査で確認される場面が増えます。

特に、EU向け包装材や樹脂部品を扱う企業は、材料の由来・再生率・処理ルートを証憑付きで追跡できる体制が求められます。LCA(ISO 14040/14044)やEPD(EN 15804+A2)の算定でも、再生材投入量や回収・再資源化ルートの前提が問われやすくなります。

2026年にCircular Economy Actが出れば、二次原材料の取引ルールがさらに横断的に整理される可能性が高いです。日本でも再生材含有率の主張や証憑管理が厳格化する可能性があり(現時点では見通しです)、今のうちにデータ連携と主張管理を整えるのが安全です。

参考文献

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