RE100とは?概要やメリットについて3分で解説!

目次

RE100とは?

RE100=「事業における使用電力の100%再エネ化」宣言

RE100とは「Renewable Energy 100%」の略称で、事業活動における「使用電力」を100%再生可能エネルギーで調達することを目標とする国際的イニシアチブを指します。

国連気候変動枠組条約「COP21」のパリ協定達成を目的に、脱炭素化を推進する国際NGO「クライメイトグループ(The Climate Group)」によって運営されています。

企業にとって、投資家や消費者といったステークホルダーに対して、自社の環境への取り組みをアピールしていく必要性が年々と高まっていく中で、使用電力を100%再エネ由来のものにすると言うのは最もわかりやすい対外的な宣言の一つです。

環境省は、2018年に公的機関としては世界で初めてRE100にアンバサダーとして参画し、世界に対して再エネ導入の率先的な取組やその輪の拡大を目指すことをアピールしています。

RE100の参加企業

日本企業の参加数は世界第2位

RE100に参加している企業は、2022年3月時点で世界で359社、日本の企業数は66社で世界第2位となっています。

参加企業に中小企業は比較的少なく、世界を代表する影響力の大きい企業が数多く参加しています。そのうち、ほとんどの企業は2050年までに目標の達成(再エネ100%)へのコミットを表明しています。

RE100参加企業数
出典:RE100参加企業数

《世界のRE100加盟企業》

アップル、マイクロソフト、Meta、ナイキ、ユニリーバ、コカ・コーラ、UBS・・・290社

《日本のRE100加盟企業》
富士通、アサヒ、ソニー、イオン、花王、ヒューリック、パナソニック・・・など66社

RE100を宣言する企業の中には、アップルやIKEAなど、自社だけでなくサプライヤーに対しても再エネ利用を要求する企業も増えてきています。

一方、RE100はあくまでも自主的な宣言を促すイニシアチブで法的拘束力や達成できなかったときのペナルティーもないため、達成に向けたロードマップや計画の中身が重要になってきます。

RE100の参加条件

参加条件

RE100参加には、以下の3つの要件に該当する必要があります。(※参加可否の判断は、英クライメート・グループにて行われます。)

(1)消費電力量が年間100GWh以上である

現在、グローバル企業は「年間消費電力量100GWh以上」となっていますが、2020年9月に日本企業は50GWh以上に緩和されました。

年間消費電力量が100GWh未満(日本企業は50GWh未満)の場合は、グローバルまたは国内で認知度・信頼度が高い、RE100事務局が重視している地域・業種における主要な事業者であることが求められます。

また、消費電力量が年間50GWh以下の場合は、「再エネ100宣言 RE Action」への参加が推奨されています。

「再エネ100宣言 RE Action」は、主に企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力の100%を再エネへ転換する新たな枠組みです。

(2)目標の達成の期限を設定し公表する

2つ目の条件として、目標達成の期限設定とそれを公表することが必要となります。

RE100の達成に向けては、遅くとも2050年までに再エネ電力100%を達成することとし、以下を参照した中間目標を設けることを推奨しています。

現在は多くの企業が2050年までに自社で使用する電力を100%再エネにすることを目標として設定しています。

《中間目標》

  • 2030年までに60%
  • 2040年までに90%
  • 2050年までに100%

ただし、先程説明したようにあくまでも自主的な目標設定なため、地球全体のカーボンニュートラルの目線で考えると、重要なのは目標達成に向けたロードマップとその実現可能性になります。

また、RE100ではグループ会社含め全ての事業所で消費する電力の転換が対象となりますが、算定の範囲はサプライチェーンを含まないGHGプロトコルのSCOPE2及び1の消費電力となります。

(3)グループ全体での参加及び再エネ化にコミットする

RE100への参加には、親会社だけでなく、自社の支配率が50%以上の子会社全てについてRE100の参加対象としなければいけません。

参加している企業は大企業が多く、実際に電気を多く消費しているのは子会社やグループ企業ということも多く、その全ての全体でコミットが必要なことは当然のルールと言えます。

再エネ電力の調達手法

再生可能エネルギー

RE100では、下記の5つの電源に由来する電力を再エネ電力として定義しています。

  1. 太陽光発電
  2. 風力発電
  3. 水力発電
  4. バイオマス発電
  5. 地熱発電

では、RE100及び再エネ100宣言RE Actionで定められた、これらの電力を調達するための手法について見ていきましょう。

(1)専用線を活用した再エネ電力調達

1つ目は、自社の敷地内又は敷地外に導入された再エネ電源を直接的に調達する手法です。

いわゆる「再エネ電力の自家消費モデル」に相当し、自家消費電力量が再エネ電力の調達量となります。

再エネ電源の所有者は自機関でも第三者でも問題なく、最近では初期投資がゼロの第三者保有モデルの事例が国内で出てきています。

専用線を活用した再エネ電力調達
気候変動時代に公的機関ができること ~「再エネ100%」への挑戦~

(2)再エネ電力メニューの購入

2つめは、小売電気事業者が提供する「再エネ電力メニュー」を購入する方法です。

例えば、グリーナでんきの「GREENa RE100」という電力プランでは、自然エネルギー(FIT電気)とグリーン電力証書を活用することで、100%自然エネルギー電力プランを提供しています。

再エネ電力メニューの購入
気候変動時代に公的機関ができること ~「再エネ100%」への挑戦~

再エネ電力メニューと聞くと、通常の電気より購入単価が高いと思われがちですが、環境省が実施した電力価格に関するアンケートによると、再エネの割合と価格について、明確な相関関係は見られず、必ずしも調達価格が上がらないことが分かっています。

(3)再エネ電力証書の購入

3つ目は、再エネ電力から切り離された「環境価値」だけを「再エネ電力証書」という形で購入する方法です。

再エネ電力証書のうち、企業が直接購入できるものは「グリーン電力証書」と「再エネ電力由来J-クレジット」があります。

グリーン電力証書再エネ電力由来J-クレジット
運営主体民間(日本品質保証機構)経済産業省、環境省、農林水産省
購入可能社誰でも可誰でも可
価格帯2 ~ 7円 / kWh程度0.5 ~ 1.0円 / kWh程度
電源種別太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス
RE100への活用
気候変動時代に公的機関ができること ~「再エネ100%」への挑戦~

また、直接購入はできないのですが、小売電気事業者を介して再エネ電力メニューとして間接的に購入することが出来る「非化石証書」もRE100に活用することができます。

ただし、「非化石証書」については、証書の由来となる電源種別や発電所所在地等の属性情報を明らかにしたトラッキング証書であることが必要となります。

RE100に取り組むメリットとは?

投資家へのアピールになる

RE100に参加する1つ目のメリットは、ESG投資を行う機関投資家や世界を含む取引先からの評価が得られることです。

近年、投資家は、環境・社会・企業統治(ESG)に配慮している企業を重視・選別して行うESG投資を大幅に強化しています。

以下の図が表す通り、活動量当たりの「CO2排出量が低い企業」は「企業価値が大きく」なっていることがわかります。様々な業種において、CO2の排出量の観点から「効率が良い」活動を行っている企業ほど、企業価値が高く評価されています。

CO2排出強度と企業価値の関係
出典:SBT等の達成に向けたGHG排出削減計画策定ガイドブック

日本のESG投資の市場規模は231億円で、2016年の56億円から306%伸びており急速にESG投資市場は拡大していることがうかがえます。

投資家の中では、社会的意義が大きい事業を行っており、持続可能性が高い経営を行っている企業に対する投資は、より高い投資リターンにつながるという認識が広まっているのです。

将来的な化石燃料の高騰リスクを回避できる

近年、ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルスの影響で石炭・原油の価格が高騰しており、「化石燃料による発電=リスク」という認識が世界的に高まっています。

再エネによる電力調達比率を高めることは、このような将来的な化石燃料の高騰リスクを回避することに繋がります。

原油価格推移
出典:コモディティ統計情報

発電コストを低減できる

経済産業省の試算では、2030年時点の1キロワット時あたりの発電コストは事業用の太陽光で8.2~11.8円になると発表しており、化石燃料を含む他の電源に比べて最もコストが低いことが公表されています。

2030年発電コスト
出典:2030年発電コスト検証

つまり、RE100を宣言して自社の再エネ発電比率を高めていくということは、企業にとって「経済的合理性」があることになります。

RE100を宣言して脱炭素経営の第一歩を踏み出そう

脱炭素経営に踏み出そう

いかがでしたでしょうか。

ここまで説明したように、企業はRE100に取り組むことで、ESG投資の呼び込みにつながることに加え、化石燃料の継続的な調達に対するリスク回避や、安定した価格で電力調達が可能となるなど、様々なメリットがあります。

RE100は脱炭素経営の中でも、比較的取り組みやすいため、ぜひこれを読んでいる経営者や企業の環境部署の担当者の方も自社で取り組んでみてはいかがでしょうか。

弊社では、RE100をはじめとした様々なGX・脱炭素経営の取り組みをサポートしています。脱炭素経営の推進に課題を感じている方がいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。