60種類以上の型番を束ねてEPDへ—建築ガラス6製品群のSuMPO EPDを取得

建築物のライフサイクルカーボン(エンボディドカーボン)を可視化し、第三者検証付きの形で開示する動きが広がっています。建材メーカーにとっては、環境配慮を「姿勢」ではなく「数字」で語ることが求められる局面に入りつつあります。
セントラル硝子プロダクツ株式会社様は、建築ガラス6製品群についてSuMPO EPDを取得されました。複層ガラス(ペアレックスシリーズ)、フロート板ガラス、網入磨板ガラス・線入磨板ガラス、鏡・機能鏡など、幅広い製品ラインの環境情報を、ISO 14025に基づく第三者検証を経た形で開示しました。
今回、同社イノベーション推進室の皆様と川瀬 代表取締役社長に、取得の背景、データ収集・算定の難所、ゼロックの支援で前に進んだポイントを伺いました。
| 1. お客様 | セントラル硝子プロダクツ株式会社 |
| 2. ご担当者様 | イノベーション推進室 室長 栗山 延也氏、主幹 中濱 克幸氏 |
| 3. ご支援期間 | 6ヶ月間 |
| 4. ゼロックのご支援範囲 | データ収集支援・LCA算定 SuMPO EPD検証申請書作成支援 検証対応・登録公開支援 報告書作成 |
| 5. 対象製品(SuMPO EPD取得) | 複層ガラス ペアレックスツインガード・ヒートガード ペアレックスツインガードG・ヒートガードG フロート板ガラス 網入磨板ガラスおよび線入磨板ガラス 鏡および機能鏡 |
| 6. PCR | 建材及び建設製品 Core-PCR v.2.0.1 |
対象製品と型番数
今回の特徴は、1件のEPDの中に多数の製品目・型番が含まれる「グループ製品EPD」として整理した点です。下記に今回EPDを取得したEPD区分と対象製品数を示します。
| EPD区分 | 対象製品名 | 型番数(目安) |
| 1:複層ガラス | ペアレックストリプルガード/ツインガード/ヒートガード、ペアレックス、ペアレックスソネスネオS 等 | 60種類以上 |
| 2:ペアレックスツインガード/ペアレックスヒートガード | ペアレックスツインガード、ペアレックスヒートガード | 約16種類 |
| 3:ペアレックスツインガードG/ペアレックスヒートガードG | ペアレックスツインガードG、ペアレックスヒートガードG | 約16種類 |
| 4:鏡および機能鏡 | ミエミラークリーン/エコ/デラックス/アクアビュー/シャインビュー | 5種類 |
| 5:フロート板ガラス | フロート板ガラス | 1種類 |
| 6:網入磨板ガラスおよび線入磨板ガラス | 菱形ワイヤー、角形ワイヤー、パラライン | 3種類 |

従来の枠にとらわれず、環境・リサイクルを推進するイノベーション推進室
まずはじめに、イノベーション推進室について教えてください。
当社のイノベーション推進室は2025年4月に発足しました。従来の枠にとらわれず、新規事業の検討に加えて、リサイクルなどの環境貢献を推進する役割も担っています。今回のEPD取得も、その活動の一つとして位置づけています。
「将来的に必要になる」から「今のうちに整える」へ
今回のSuMPO EPD取得に至った背景や経緯について教えてください。
当社としては、循環型社会の実現に向けて、ガラスメーカーとして必要な情報の開示が重要だと考えています。
また、建築物のライフサイクルアセスメント(建築LCA)が制度化に向けて検討されている流れもあり、将来の営業・提案活動に備えて、第三者検証を経たEPDを“共通言語”として用意しておきたい、という判断になりました。
実務面では、ゼロックさんから支援事業(補助制度)の案内メールをいただいたことが、社内で議論を前に進める具体的なきっかけになりました。タイムスケジュールがタイトな中でも『今動いた方がよい』と意思決定し、外部の支援会社を複数社で比較するよりも、まず実行を優先しました。

“安心感とスピード感がある”——ゼロックを選んだ理由
コンサル企業の選定で重視した点と、ゼロックを選んだ理由を教えてください。
私たちが重視したのは、スピード感とコミュニケーションの密度です。ゼロックさんは実績もあり、若くてスピード感があると感じましたし、頻繁にWebミーティングや連絡を取り合いながら、当社側の複雑な工程や前提を理解してもらったうえで進められたのが良かったです。
最終の納品物では、結果だけでなく算定根拠や算定方法についても詳しい資料を納品してもらい、社内での説明がしやすく、今後の活用方法も具体的なイメージが湧きました。
最大の山場は「多品種×複数サイト」—データを“検証に耐える形”へ
今回のEPD取得で、特に難しかった点はどこでしたか?
当社にとって一番の山場は、『多品種×複数サイト』のデータを、第三者検証に耐える形へまとめ上げるところでした。
今回のEPDは、1件の中に多数の型番が含まれるだけでなく、同一製品群が複数の生産サイトで製造されているケースもあります。そのため、製造サイトごとのデータを集計し、LCAに使える粒度・形式へ整形する必要がありました。
この点は、ゼロックさんに生産数量に基づく加重平均値としてLCIA結果を算定しつつ、GPIおよびPCRに沿って、カットオフやアロケーションの扱いも整理していただきました。データ品質の要求水準を満たしつつ、当社側のデータ収集負荷をできるだけ小さくして進められたのが助かりました。
さらに、グループ製品EPDでは、製品間のLCIA結果のばらつきに関する要件の説明が必要になります。ここも、ゼロックさんの尽力により20種類以上の製品で排出量を試算いただき、検証員に根拠とともに説明する形まで整えることができました。
『要件を満たすことを“言葉”だけでなく“数字”で示す』ところが、もう一段の山場だったと思います。

EPD取得で得られた学び:製品別だけでなく、工場全体の“見える化”が進んだ
実際に進めてみて、得られた学びやメリットはありましたか?
当社にとっては、EPDを取得できたこと自体はもちろんですが、工程の流れや、どこでどれだけ原料や燃料が使われているのかが、工場全体で整理できたことも大きなメリットでした。
カットオフやPCRの考え方も含めて最適に整理して、臨機応変に対応してもらえたと感じています。
取得後は、当社としてホームページでの発信に加え、統合報告書での取り組み紹介、製品カタログへの掲載、営業活動での活用など、社内外への展開を進めていきたいと考えています。『取っただけで終わらせず、使える形にしていく』ことが次のテーマです。
最後に
最後に中長期的な取り組みやサステナビリティ方針があれば教えてください。
当社はセントラル硝子グループの一員ですので、サステナビリティの考え方や、統合報告書で示す方向性も含めて、基本はグループ方針に沿って動いていきます。
一方で、セントラル硝子プロダクツとしては、経営方針の中でも“環境”という言葉を大切にしています。環境というのは自然環境だけじゃなくて、業務の環境や職場環境も含めて、全部が常に改善していくものだと思っているんです。
その中で、私たちがつくる製品についても、再生材の活用も含めて『環境に優しいとは何か』を追い続けたい。正直、今も試行錯誤の途中です。でも、その都度その都度、いまの想像の範囲を超える“夢”を目指すことで、限界を超えられるはずだと思っています。
会社としては、与えられたことをこなすだけではなく、自分たちで目標をつくって、それを楽しみながら前に進める組織でありたいですね。

まとめ
建材のEPDは、単に“算定する”だけではなく、多品種・複数サイトの現実に合わせて、加重平均を含むデータ設計を行い、アロケーションやカットオフを含む説明可能性を整え、第三者検証に耐える根拠を用意することが肝になります。
ゼロックでは、GPI/PCRの読み解きから、データ収集設計、グループ製品EPDの整理、検証員への説明資料作成までを一気通貫で支援します。製品点数が多い、複数工場にまたがる、型番体系が複雑—そんな企業ほど、最初の設計で工数が大きく変わってきます。
自社の製品でどのようにEPDの取得が検討できるか気になる方はぜひ一度無料相談にお申し込みください。
公開されているEPD(SuMPO EPD)
・複層ガラス:https://ecoleaf-label.jp/epd/2807
・ペアレックスツインガード/ペアレックスヒートガード:https://ecoleaf-label.jp/epd/2808
・ペアレックスツインガードG/ペアレックスヒートガードG:https://ecoleaf-label.jp/epd/2809
・フロート板ガラス:https://ecoleaf-label.jp/epd/2810
・網入磨板ガラスおよび線入磨板ガラス:https://ecoleaf-label.jp/epd/2811
・鏡および機能鏡:https://ecoleaf-label.jp/epd/2812
・ニュースリリース(2026/02/16):https://www.cgprd.co.jp/news/2026/



