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SBT認定取得に向けたScope3算定とCO2固定化建材による排出量削減の取り組み 

取引先からの要求をきっかけに2025年中のSBT認定の取得を予定している神島化学工業株式会社様。今回はSBT認定に必要なScope3算定と2024 年度グッドデザイン・ベスト 100に選ばれた「神島化学工業 CO2 リサイクル製造プロセス」についてお伺いしました。 

お客様情報神島化学工業株式会社
支援内容Scope3算定、SBT認定取得、建材・化成品CFP算定
ご支援期間6~8ヶ月

SBT認定取得とScope3算定に取り組む背景

廣田さんのご部署と役割について教えてください。

私が所属する技術本部 技術統括部 建材技術グループにでは窯業系サイディングやケイカル板等の建材の開発を行っています。 

内容としては基材、塗装、施工の3つに分類され、仕上げ材として使用されるため、柄付けや塗装によるデザインの要素も求められます。 

建材事業における主力製品は建物の軒裏に施工される軒天井ボードです。 

その他に、内装で使用されるケイカル板や耐火ボード、窯業系サイディングに比べて高比重・高強度なラムダなどの製品を取り扱っております。 

2025年中のSBT認定の取得に向けてコミットメントとScope3の算定を実施されましたが、お取り組みに至った背景や経緯について教えてください。

当社の顧客である大手ハウスメーカー様からSBT認定取得の要求があったことがきっかけでした。SBT認定の取得にはScope1,2,3排出量を報告する必要があるため、算定を実施することになりました。 

また、取り組みを進めていく中で排出量の開示による企業価値向上などのメリットが見込めることや、CO2リサイクル製品の開発による環境対策の取り組みを進めている当社が第三者機関からの評価を受けていないことに対するデメリットの大きさを実感したということも本取組の後押しになりました。 

神島化学工業 技術統括部 建材技術グループ 廣田氏

ゼロックの支援でSBT認定と排出量削減を見据えた算定を実施 

コンサル企業の選定にあたり重視された点や、その中で弊社を選んで頂いた理由があれば教えて下さい。

今後、継続的に自社の排出量を算定し外部に開示していくことを考えていたので、当社が「自分たちで算定できるようになること」を最も重要視していました。 

コンサル企業数社と面談させて頂いた中で、ゼロックさんは算定根拠をしっかり開示して頂けることや、算定に使ったExcelファイルをご納品頂ける点に魅力を感じて選ばせて頂きました。 

また、同時期にSuMPO EPDの取得も検討していたのですが、代表の松井様が環境ラベルの外部検証員ということで、タイムリーな情報共有を頂ける点も安心感と信頼感がありました。 

実際にScope3を算定してみて気付いたことがあれば教えてください

事前に予想していましたが、やはりScope3カテゴリ1「購入した製品、サービス」が最も大きいことがわかり、SBTの達成に向けてこの部分を下げていく必要性が改めて可視化されました。 

また、カテゴリ別の排出量も含め、当社の生産活動におけるどの活動でGHGが多く排出されているが定量化される事によって、社内で共通認識を持つことができ、排出量削減のための検討や意思疎通がスムーズになったと思います。 

今回はScope1,2,3の将来シナリオも作成していただきましたが、SBT認定の取得を見据えた算定をして頂いたことで、目標達成に向けてどの排出量をどれだけ減らせばいいかという視点も併せて得ることができました。 

今後は算定結果を基に、SBT認定の取得に向けて効果的な排出削減を検討していきたいと思います。 

神島化学工業株式会社 取締役 技術本部長 美藤氏 

排出量削減の取り組みと企業価値向上の両立に取り組む

Scope3の算定結果について、社内ではどのようなフィードバックがありましたか?

最も大きいScope3カテゴリ1をいかに下げていくかについて、購買部門を中心に社内で検討が行われました。 

事業成長に合わせて製品の生産量も増えるため、カテゴリ1を下げることは簡単ではありませんが、CO2の削減に取り組みつつ、生産性の改善によるコストダウンや廃棄物の削減を色々な部門で取り組むことで最終的には利益に繋げられるようにしたいと考えています。 

また、先日コミットメントを実施したSBT認定への取り組みは取引先や投資家の皆様からも高く評価を頂けるものと考えています。 

CO2リサイクル建材で2030年までに工場由来のCO2ゼロを目指す 

御社が開発に取り組まれているCO2固定化建材について教えてください

製造工程で発生する排ガスに含まれるCO2を回収し、アルカリ廃棄物と反応させることで生成した炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムを原料として製造した建材です。 

2026年には一部製品をCO2リサイクル建材として販売開始して工場からのCO2排出量を50%削減し、2030年には全製品をCO2リサイクル建材に切り替え、CO2排出量をゼロとする計画としております。 

2024年にはこの製造プロセス「神島化学工業CO2リサイクル製造プロセス」でグッドデザイン・ベスト100に選出されるなど、高い評価を得ています。 

神島化学株式会社 技術本部 技術統括部 副部長 林氏 

グッドデザイン賞ベスト100への選出含め、対外的な反応はいかがでしたか?

多方面からポジティブな評価を多く頂いており、「かがわ脱炭素促進事業者表彰事業」でも優秀賞を頂いています。本プロセスやCO2固定化建材の付加価値をより多くの企業様に周知することで、社会のCO2削減にも貢献できればと思っております。 

神島化学CO2リサイクル製造システムのチャート図 

神島化学工業株式会社 ニュースリリース 

https://www.konoshima.co.jp/topics/file/00336.pdf

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