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現場発泡ウレタン断熱材で国内初のSuMPO EPD取得へ—建築LCA時代を見据えた情報開示を支援

建築物のライフサイクルカーボン、いわゆるホールライフカーボンへの関心が高まる中、建材メーカーには、断熱性能や施工性だけでなく、温室効果ガス排出量をはじめとした製品の環境負荷を定量的に示すことが求められ始めています。特に、国土交通省が主導する建築物LCAの制度化を見据え、建材の環境情報を第三者検証付きで開示するEPDの重要性は、今後さらに高まっていくと考えられます。

株式会社日本アクア様は、主力製品である現場発泡ウレタン断熱材「アクアフォーム」をはじめとするアクアフォームシリーズ等について、SuMPO EPDを取得されました。現場発泡ウレタン断熱材でのSuMPO EPD取得は、国内初の取り組みです。

今回、同社の大森様、永田様に、EPD取得に至った背景、実際にゼロックと取り組まれたうえで感じたこと等について伺いました。

企業名株式会社日本アクア
ご担当者様常務取締役 永田和久氏 / 営業推進部 大森徹氏
プロジェクトSuMPO EPD取得支援
対象商品 (SnMPO EPD 取得)アクアフォーム100倍発泡、アクアフォーム120倍発泡、アクアフォーム30倍発泡シリーズ、アクアブロー、アクアモエンNEO
PCR建築用断熱材
ご支援範囲・データ収集補助
・LCA算定
・SuMPO EPD検証申請書作成
・検証対応・登録公開
・報告書作成
ご支援期間7ヶ月間

日本アクアのアクアフォームシリーズ:断熱・気密・施工性を支える現場発泡ウレタン断熱材

日本アクア製 アクアフォーム

はじめに、日本アクア様の事業について教えてください

大森様

日本アクアは、建築断熱用硬質ウレタンフォーム「アクアフォーム」の販売・施工、住宅省エネルギー関連部材の開発・製造・販売を行う建材メーカーです。

今回EPDを取得した「アクアフォーム」は、建物の屋根や壁にポリオール成分液とポリイソシアネート成分液を吹き付け、現場で発泡させる断熱材です。隙間なく充填しやすく、接着性が高いことから、断熱性・気密性を確保しやすい点が特徴です。

また、アクアフォームシリーズには、植物由来原料を配合した「アクアフォームLITE」、従来品より薄い厚みで同等の断熱性能を確保する「アクアフォームNEO」、アクアフォームの端材を活用した「アクアブロー」、不燃性と断熱性を備えた「アクアモエンNEO」などがあり、用途や性能に応じた製品を展開しています。

製品設計の段階から、環境負荷の低減を意識する

続いて、ご部署の役割について教えてください。

永田様

私が所属しているテクニカルセンターでは、主に当社製品の設計開発と、製造委託先でつくっていただいている製品の品質管理を担っています。サステナビリティの観点では、やはり製品設計の段階が重要です。環境負荷の少ない原料を選定することに加えて、できるだけ材料を少なく使うことも意識しています。たとえば、発泡倍率を高めることで、同じ機能を満たしながら使用する材料を抑えることができます。

大森様

私は営業推進部に所属しながら、現在はテクニカルセンターとも連携して業務を行っています。行政の動向、他社の動向、海外の制度や規格の情報などを収集し、社内につなぐ役割を担っています。今回のEPDも、今のうちに取得しておけば必ず会社の利益になると考え、早い段階から社内で検討していました。

左から、大森徹氏、永田和久氏

大手ゼネコンからの助言と、建築LCAの流れがSuMPO EPD取得の後押しに

SuMPO EPDの取得に至った背景や経緯について教えてください。

永田様

私自身、お客様と接する機会が多いのですが、特に大手ゼネコンの調達関係の方から、将来的にEPDを取得しておいた方が取引上有利になるというお話をいただいていました。国土交通省による建築物LCAの制度化に向けて動き出しがなされていたこともあり、将来的には大型物件を中心に、建材の環境情報がより求められるようになると考えていました。そうした動きは、いずれ住宅会社や中小規模の建設会社にも波及していくはずです。今のうちに取り組むべきだと判断しました。

大森様

もともと当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献する」という考え方を大切にしてきました。断熱や省エネルギーに関わる会社として、建物の使用時の省エネだけでなく、建材製品そのものの環境情報を開示していくことも、これから非常に重要になると考えています。

“データ収集に集中できる”——ゼロックを選んだ理由

コンサル企業の選定にあたり重視された点と、ゼロックを選んだ理由を教えてください

大森様

「LCA算定における専門性」と「EPD取得実現のイメージが持てるか」を重視しました。最初はホームページ検索などを通じて、いくつかの会社を比較しました。当社の場合、LCA算定を専門で担当する部署や十分な人員があるわけではありません。LCAの算定方法は難解であることこともあり、自分たちだけで進めるよりも、専門家に伴走してもらい、社内では必要なデータを集めることに集中した方がよいと考えました。

その中でも、ゼロックさんはLCA算定やSuMPO EPDに関する知見が深く、安心感がありました。以前から建材分野のEPD支援実績があることも心強かったです。初回の説明もわかりやすく、データ収集やLCA算定の流れについてご説明いただき、プロジェクトを進める具体的なイメージが持てたこともお願いする決め手になりました。また、こちらからの質問に対して明確な回答をもらえたことも弊社の意図を理解していただいていると感じました。

EPDのルールに沿ったデータ収集整理

実際に進める中で、特に難しかった点はどこでしたか?

永田様

一番大変だったのは、やはりデータ収集です。当社は製造委託の形で製品をつくっているため、各工場に必要なデータを集めていただく必要がありました。工場側からすると「なぜこのデータが必要なのか」「数字が悪かった場合に取引に影響するのではないか」といった懸念も出てきます。そのため、取引先にご理解をいただきながらデータをいただくために、その意義を丁寧に説明することが必要でした。

大森様

その点、ゼロックさんには、データ収集を始める前に「データ収集シート」を作成していただき、必要なデータの項目や入力方法を説明いただきました。社内や委託先にも説明しやすくなり、データ収集を進めるうえで大きな助けになりました。

実際にデータ収集してみると、普段は製品単位で分けていない電力使用量などもありますし、複数の工場や委託先が関わる場合、データの粒度や集め方をそろえることが難しい場面もあります。

今回も、どこまで一次データを集めるべきか、どうしてもデータが不足する場合はどのように対応するかといった点では、専門的な判断が必要でした。 そうした場面でも、ゼロックさんがEPDのルールに則ったデータ整理や収集方針を具体的に示してくださったため、社内や委託先と確認すべき内容が明確になりました。単なる算定代行ではなく、データ収集の進め方から支援いただけたことで、安心してプロジェクトを進めることができました。

EPD取得を、顧客提案における新たな価値へ

大森徹氏

EPD取得後における今後の御社の展開・方針についてお聞かせください。

大森様

EPD取得後は、当社のニュースリリースや認定書、Webサイトに掲載された情報を印刷して、営業担当者が持ち歩けるようにしています。「日本アクアはEPDを取得しています」と早い段階でお客様に伝え、先行ランナーとしての立ち位置を活かしたいと考えています。大手ゼネコンなど、建築物LCAに直結するお客様の意識は非常に高いです。定量的に製品の環境負荷について説明できる情報へのニーズは今後さらに高まるのではないかと感じています。

永田様

今回の対象製品に限らず、今後は別ジャンルの製品についてもEPD取得を検討していきたいと考えています。 特に、まだEPD取得事例が多くない製品分野では、早い段階で環境情報を整備しておくこと自体が、お客様への説明力や提案力につながると考えています。

今回の取り組みを通じて、社内でのデータ収集や算定の進め方についても一定の知見を得ることができました。今後はその経験も活かしながら、製品ごとの特性や市場ニーズを踏まえて、EPD取得の対象を広げていきたいです。

まとめ

EPD取得にあたっては、製品の環境負荷を算定するだけでなく、その根拠となるデータをどのように集め、どのような前提で整理したかを、検証員に説明できる形にしておく必要があります。特に、複数の工場や製造委託先が関わる場合には、拠点ごとにデータの管理方法や取得できる情報が異なるため、整合性のある形でまとめていくことが重要です。

ゼロックでは、PCR選定、データ収集補助、LCA算定、検証申請書作成、検証対応まで、SuMPO EPD取得を一気通貫で支援しています。自社製品でのEPD取得を検討している、取引先から環境情報の開示を求められているいう企業様は、ぜひご相談ください。

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