床材10製品のSuMPO EPD取得と環境負荷の定量的な情報開示
環境志向の製品への需要の高まりを背景に、SuMPO EPDの取得を実施した大建工業様。今回は床材10製品のSuMPO EPDの取得を行い、ライフサイクル全体における環境負荷を外部に開示した事例をご紹介します。
お客様情報 | 大建工業株式会社 |
支援内容 | 床材10製品のLCA算定及びSuMPO EPDの取得支援 |
ご支援期間 | 4~6ヵ月 |
SuMPO EPD取得検討に至った背景
伊東さんのご部署と役割について教えてください。
主に床材を製造する事業所で新製品の開発を担当しています。
業務としてはマーケティング要素も含んでおり、顧客のニーズを把握して新しい機能や仕様を検討しています。
商材としては、住宅用だけでなく公共用や商業ビル、オフィス用の製品も扱っています。
今回床材について10製品、SuMPO EPDの取得をされましたが、取得に至った背景や経緯について教えてください。
昨今、カーボンニュートラルへの動きが加速するとともに、建材等における環境情報の開示ニーズも高まっており、公共や商業利用の床材においても以前より環境に配慮した製品の要望がありました。
また、弊社で取り扱っている製品の中で樹脂を使用したものがあり、原材料が石油というところが環境負荷の観点で懸念点として指摘を頂くこともありました。
競合他社でも一部製品で環境ラベルを取得している事例もあり、将来的に会社として対応の必然性が高まる可能性が高いと考えて、SuMPO EPDの取得へ踏み切りました。
ゼロックの支援で効率的なLCA算定とSuMPO EPDの取得を実現
コンサル企業の選定にあたり重視された点や、その中で弊社を選んで頂いた理由があれば教えて下さい。
初回のお打ち合わせの段階で専門知識や実績があり、対応も早かったためすぐにゼロックさんに決めました。
また、はじめにご相談した製品だけでなく、将来的に類似製品等の取得も見据えた柔軟なご提案をして頂き、中長期的にお付き合いができそうと感じ御社を選ばせて頂きました。
実際に弊社の支援を受けてみて思ったことや感じたことがあれば教えてください。
弊社が何もわからないところからのスタートでしたが、非常に協力的に業務を行って頂いたと思います。
スケジュールやタスク管理に関しても丁寧に進めて頂き、定期的な打ち合わせ、電話やメールで逐一フォローアップをして頂きました。
また、LCA算定支援の進め方として、Web上で一つのExcelファイルを共有して同時編集する形で進行する点は非常にやりやすかったと思います。 ファイルを編集すれば自動で更新されて、編集されたデータをお互いすぐに確認できることで業務はかなりスムーズに進んだと思います。
初のLCA算定で環境リテラシー向上と内製化への意欲
LCA算定結果やSuMPO EPDの取得を通じて、気づきや今後に向けた知見は何か得られましたか?
現在、算定結果や細かいデータを確認中となりますが、EPDの取得を通じて改めて自社製品の排出量の多い原材料や生産プロセスを把握することができました。
具体的には当初、排出量が低いと考えていた製品の排出量が多かったり、その逆があったりと環境負荷を可視化することで新たな気づきを得ることができました。
また、貴社にご対応頂いた原単位のマッピングが自社の想定と異なっていたり、SuMPO EPD取得を通じてメンバーのLCA算定に関するリテラシーが向上したと思っています。
LCA算定やEPD取得について、自社で内製化していく予定はありますか?
自社でできる部分とそうではない部分をうまく切り分けて、対応したいと考えています。
例えば、類似製品については今回の結果を参考に自社で検証申請書を作成し、申請時にゼロックさんに申請書をレビューして頂くなど、効率的な進め方ができればと思っております。
SuMPO EPDの取得による新たな営業機会の創出
今回のSuMPO EPDの取得にあたり、社内外ではどのような反応がありましたか?
社内に関しては、マーケティング部や広報部が連携して社外に向けた発信を積極的に行っています。例えば、HP上に下記のようなページを作っています。
https://www.daiken.jp/carbonstorage/sumpoepd
また、営業サイドからも問い合わせがあり、お客様への提案方法についてなど確認されることがあります。
社外では早速、SuMPOのEPDのページを見たハウスメーカー様からSuMPO EPDの意味や詳細について問い合わせを受けており、営業機会の創出に繋がっています。
今回が初めてのEPD取得ということもあり、環境の取り組みに積極的なお客様からの問い合わせは今後も増えていくと予想しております。
大建工業株式会社 ニュースリリース