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ニュース解説

国交省が建材・設備のCO2データ整備を支援。1社最大1,000万円

公開日 2026.04.21 最終更新日 2026.04.21

松井 大輔

(監修者経歴)
東京大学 醍醐研究室卒業、株式会社ゼロック 代表取締役、東京大学 先端学際工学専攻 博士課程、EPD検証員、省庁事業や上場企業のLCA関連コンサルティング業務等幅広く対応

要約

  • 国交省の支援募集が4月10日に始まり、建材・設備のCO2原単位整備を後押し
  • SuMPO EPDやPCRの策定・検証・公開費用まで含め、1社あたり最大1,000万円を支援
  • 建築LCCO2制度の本格化を見据え、先行してデータを整備できる好機

概要:国交省の支援募集が始動。建材・設備のCO2データ整備を後押し

国土交通省の支援事業「CO2原単位等の策定に係る支援」の公募が、4月10日に開始されました。これは、建材・設備に係る業界団体や民間事業者等を対象に、一定の要件を満たすCO2原単位等の策定を支援する制度です。

支援額は、原則として策定した1つのCO2原単位等につき上限400万円で、1事業者あたりの合計では最大1,000万円まで受給できます。対象経費には、EPDやCFPの策定に伴う人件費、データベース利用費、第三者検証費用、公開費用に加え、算定ツールの利用料なども含まれます。

ただし、注目すべきなのは、「補助金が出る」という点だけではありません。この制度の背景には、国が建材・設備分野のCO2データ整備を早期に進めようとしている動きがあります。建築物LCA/LCCO2評価を普及・制度化していくうえで、建物を構成する建材・設備の原単位整備が欠かせない、という認識があるためです。

自社製品の環境データ整備は、今後の建築物LCA/LCCO2評価の広がりを見据えると、設計・調達・説明の場面に備えるうえで重要性を増していくと考えられます。

背景:建築物LCAの広がりに向け、建材・設備のデータ整備が重要に

今回の支援の背景には、建築物のライフサイクル全体(製造、建設、運用、改修、廃棄)で発生するCO2を把握する「建築LCCO2(ライフサイクルCO2)評価」を広げていこうとする、国の取り組みがあります。国土交通省は、2028年度を目途に建築物LCAの実施を促す制度の開始を目指しており、その検討の中では、原単位の整備や算定方法のそろえ方、表示のあり方などが議論されています。

そのため、建築物全体を評価するうえでは、構成要素である建材や設備ごとのCO2原単位を整えていくことが重要になります。実際、国の資料でも、建築物LCAに用いる原単位の整備を進めることや、データベースのあり方を検討することが示されています。

今後、製品固有の環境データを提示できる建材・設備は、設計段階や調達段階で比較・説明しやすくなる可能性があります。

一方で、個社データが未整備の場合はデフォルト値で扱われることが想定されています。デフォルト値は制度上必要な補完手段ですが、個社ごとの削減努力や製品特性を十分に反映しにくい面があります。そのため、自社の取組を適切に示したい企業ほど、製品固有データを整備しておく意義は大きいといえます。

今回の支援制度は、そうした今後の動きを見据えて、建材・設備のCO2データ整備を進めやすくするためのものと捉えると、理解しやすいと思います。

項目内容
支援限度額1社につき最大 1,000万円(1製品 400万円)
対象経費EPD/CFP策定、第三者検証、算定ツール利用料
デッドライン2028年度:建築物LCCO2評価の制度化(義務化・標準化)
本質的意義未整備=デフォルト値扱い。選定から外れるリスクの回避

コンサルタントによる解説

当社ゼロックでも、昨年度、本制度を活用したEPD・CFP整備案件を複数支援してきました。実際に支援する中で感じるのは、補助金申請の手続きそのものよりも、EPDやCFPの取得に必要なデータ集めや算定条件の確認、社内外との調整のほうが、手間がかかりやすいということです。

今後、大手不動産事業者等を中心にScope 3対応やLCCO2評価が進んでいく中では、第三者レビューや検証を経た環境データを持つ企業ほど、自社製品を説明しやすくなる場面が増えていくと考えられます。

そのため、補助金の要件や締切だけに目を向けるのではなく、まずは自社の主力製品について、継続的にデータを集めて算定できる体制を整えることが重要です。

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